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イネ科花粉症とは?~春から秋にかけて注意が必要な花粉アレルギー~
イネ科花粉症とは
「花粉症」と聞くと春のスギ花粉を思い浮かべる方が多いと思いますが、イネ科花粉による花粉症も近年増えています。イネ科とは、稲(イネ)や麦、カモガヤ、チモシーなどを含む植物の仲間で、春から秋にかけて長期間にわたり花粉を飛ばすのが特徴です。
特に日本では、田畑や河川敷、道路沿いなど、私たちの生活のすぐそばに多く自生しているため、身近な花粉症の原因となっています。
飛散時期と特徴
研究によると、イネ科花粉の飛散は地域によって多少異なりますが、九州・本州の多くの地域では以下のような3つの時期にピークがあります。
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第1のピーク:5月下旬ごろ(小麦・カモガヤ・スズメノテッポウなど)
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第2のピーク:7月下旬〜8月上旬(イネ)
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第3のピーク:9月下旬ごろ(ススキ・オギなど)
つまり、春から秋にかけて繰り返し症状が出る方はイネ科花粉症の可能性があります。特に、5月下旬やお盆前後、秋口の症状が特徴的です。
出やすい症状
イネ科花粉症の症状は、スギ花粉症と似ていますが、発症の時期や症状の出方に違いがあります。
主な症状
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鼻水・くしゃみ・鼻づまり
特に「くしゃみ・鼻水」が強く出るタイプが多いとされています。 -
目のかゆみ・充血
花粉が目に付着してアレルギー反応を起こすため、目の症状もよくみられます。 -
のどの違和感・かゆみ
吸い込んだ花粉によって、のどの奥にかゆみやイガイガ感を感じる方もいます。 -
咳や軽い喘鳴(ぜんめい)
気管支が反応することで、咳が出たり、ゼーゼーすることもあります。 -
皮膚のかゆみ・湿疹
花粉が肌に触れることで、肌荒れやかゆみを起こすこともあります。
これらの症状が「春にも夏にも出る」「スギ花粉の時期が終わっても治まらない」と感じる方は、イネ科花粉症を疑うことが大切です。
イネ科花粉症の特徴
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スギ花粉症と重なることが多い
調査では、イネ科花粉に反応する方のうち、約9割がスギ花粉にも感作していることがわかっています。つまり、春のスギ花粉症が終わっても、初夏に再び症状が出るというケースが多いのです。 -
ダニ・ハウスダストとの重複も多い
イネ科花粉に反応する方の半数以上がダニ・ハウスダストにも反応しているため、季節を問わず鼻炎症状がある方も少なくありません。 -
年齢層は幅広く、若年から中高年まで
子どもから大人まで幅広い年代で発症が見られますが、年齢が上がるほど発症率が高い傾向も報告されています
診断と検査
診断には、**血液検査で特異的IgE抗体(CAP-RASTなど)**を測定し、イネ科のカモガヤに対する反応を確認します。
抗体価(スコア)が高いほど発症の可能性が高い傾向にあり、スコア2以上で発症リスクが上がると報告されています。また、症状が出る時期と花粉の飛散時期を照らし合わせることで、より正確な診断が可能です。
日常生活での対策
イネ科花粉は背の低い草から飛ぶため、スギ花粉よりも飛散距離は短く、数十メートル程度とされています。そのため、次のような対策が効果的です。
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草むら・田んぼ・公園などに近づかない
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草刈りや外遊びは花粉飛散の少ない午前中に行う
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マスク・眼鏡の着用で花粉の侵入を防ぐ
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帰宅時は衣服をよく払う、洗顔・うがいを忘れずに
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窓の開閉を控える(特に草刈りの後)
これらの工夫で、花粉の吸入量を減らし、症状を軽くすることができます。
治療法
治療は、抗アレルギー薬の内服や点鼻・点眼薬が中心です。症状が強い場合は、ステロイド薬の短期使用や、根本的な改善を目指す舌下免疫療法(スギやダニに対して)を組み合わせることもあります。
また、症状が出る前から予防的に薬を開始することも効果的です。
まとめ
イネ科花粉症は、春〜秋にかけて繰り返し症状が出るのが特徴です。
「スギ花粉の時期が終わったのに鼻がむずむずする」「5月や夏にもくしゃみが出る」という方は、ぜひ一度、アレルギー検査を受けてみてください。
早めの対策と正しい治療で、快適な毎日を過ごしましょう。
参考論文:伊藤由紀子・木村哲郎・宮村朋孝:「三重県久居市におけるイネ科花粉飛散状況とイネ科花粉症 ―過去14年間のイネ科花粉飛散状況と過去15年間の当科アレルギー外来におけるイネ科感作例の検討―」アレルギー 51巻1号, 2002年. 日本アレルギー学会誌. -
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