いびき・日中の眠気・睡眠時無呼吸症候群|はかたみち耳鼻咽喉科|福岡県久留米市の耳鼻科・耳鼻咽喉科

いびき・日中の眠気・睡眠時無呼吸症候群 SASSAS

いびき・日中の眠気、放置していませんか?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の危険なサイン

「家族にいびきを指摘された」「昼間どうしても眠くなる」「寝ても疲れが取れない」…… その症状は、単なる疲れではなく「睡眠時無呼吸症候群(SAS:サス)」のサインかもしれません。睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に空気の通り道(気道)が塞がり、何度も呼吸が止まったり浅くなったりする病気です。睡眠の質が著しく低下するため、日中の強い眠気や集中力の低下を引き起こします。

「たかがいびき」と侮れない深刻な健康リスク

無呼吸が続くと体は極端な酸欠状態になり、心臓や血管に強烈なストレスがかかります。重症の睡眠時無呼吸症候群を放置すると、以下のような深刻なリスクがあることが医学的に分かっています。 ・健康な人に比べて、死亡率が約2.6倍に跳ね上がる、 ・日中の眠気により、交通事故を起こす確率が一般ドライバーの2.5倍になる、 ・患者さんの約50%が高血圧を合併し、心不全や脳梗塞などのリスクが著しく高まる

はかたみち耳鼻咽喉科の「睡眠時無呼吸症候群治療」の特長

耳鼻咽喉科専門医による「鼻とのど」の根本治療

いびきや無呼吸の大きな原因として、肥満だけでなく「アレルギー性鼻炎」や「副鼻腔炎(蓄膿症)」による鼻づまりが影響していることが多々あります。当院では、耳鼻咽喉科専門医として鼻やのどの状態を正確に診断し、鼻づまりの治療を並行して行います。鼻の通りを良くすることで、その後のCPAP治療などが格段に快適になり、治療の成功率が高まります。

看護師・CPAP提供会社と連携した手厚いサポート体制

呼吸を助ける機器(CPAP)の治療に慣れるまでは、「マスクが合わない」「空気が漏れる」などの不安がつきものです。当院では、医師だけでなく看護師、そして専門のCPAP提供会社(業者)と密に連携するチーム医療体制を整えています。機器のトラブル対応やマスクの調整などに迅速に対応し、患者さんが快適に治療を継続できるよう全力でサポートします。

■ 自宅でいつも通り眠れる「手軽で正確な睡眠検査」

検査のためにわざわざ仕事を休んで入院する必要はありません。当院では、ご自宅のベッドで普段通りに寝ながらできる「簡易検査(WatchPATなど)」や、より精密な「在宅フルPSG検査」を実施しています。鼻にチューブを着けずに指先や手首のセンサーだけで測れる負担の少ない検査機器も導入しています。

■ なぜ指先のセンサーで無呼吸がわかるの?(高い検査精度):

Watch-PATの最大の特徴は、指先のセンサーで「末梢動脈波(PAT)」という血管のわずかな変化を読み取ることです。 人間は睡眠中に無呼吸や低呼吸になると、血液中の酸素が減り、苦しくなって脳がわずかに覚醒します。すると交感神経が緊張し、指先の血管がキュッと収縮します。Watch-PATはこの血管の収縮(PAT信号の減衰)と、心拍数の変化、血液中の酸素飽和度の低下を複合的に分析することで、無呼吸の回数を正確に割り出します。 さらに、本体に内蔵されたセンサーで体の動き(体動)を感知し、「本当に眠っていた時間」や「睡眠の深さ(睡眠ステージ)」まで推測することができます。 従来の簡易検査では、検査時間=睡眠時間として計算されるため、眠れなかった時間も含まれてしまい、無呼吸の重症度が実際より軽く出てしまう(過小評価される)欠点がありました。 Watch-PATは実際の睡眠時間を基準に計算できるため、一泊入院で行う精密検査(PSG:終夜睡眠ポリグラフィー)に匹敵する高い精度を誇ります。

■ 検査の流れ

診察・問診: 症状をお伺いし、鼻やのどの状態を診察します。 機器のお渡し: Watch-PATをお貸し出しし、使い方の説明を行います。 ご自宅で検査: いつも通り寝る前にご自身で機器を装着し、一晩お休みいただきます。 機器の返却: 翌日、当院へ機器をご返却いただきます(郵送での対応もご相談ください)。 結果説明: 機器からデータを解析し、後日、結果と今後の治療方針について詳しくご説明します。 ※Watch-PATの結果、より詳細な脳波等のデータが必要と判断された場合(中枢性無呼吸の疑いや合併疾患がある場合など)は、連携する専門医療機関での一泊入院による精密検査(PSG)をご紹介することもあります。

重症度に合わせた、多様な治療の選択肢

検査によって算出された「1時間あたりの無呼吸・低呼吸の回数(AHIまたはRDI)」について

睡眠時無呼吸症候群の診断や重症度を決める際に、最も重要な「ものさし」となるのが**AHI(無呼吸低呼吸指数:エーエイチアイ)**という数値です。 これは、睡眠1時間あたりに「呼吸が10秒以上止まった回数(無呼吸)」と「呼吸が浅く弱くなった回数(低呼吸)」を合計した数のことです。 ご自宅で手軽にできる簡易検査(WatchPATなど)や、病院に一泊して行う精密検査(フルPSG)を行うことで、ご自身のAHIを知ることができます。

AHIの重症度と、放置すると怖い「健康リスク」

AHIの数値によって、睡眠時無呼吸症候群は「軽症」「中等症」「重症」の3段階に分類されます。 軽症: AHI 5〜14回/時 中等症: AHI 15〜29回/時 重症: AHI 30回/時以上 【無呼吸が引き起こす命に関わるリスク】 「たかがいびき」と放置するのは非常に危険です。睡眠中に呼吸が止まると、体は極端な酸欠状態になり、睡眠が分断されて脳や血管に強烈なストレスがかかります。 医学的な研究により、AHIが「15回/時(中等症)」を超えると、高血圧や心筋梗塞、脳卒中などの心血管イベントの発症リスクが急激に悪化することが分かっています。 さらに、「重症(AHI 30回/時以上)」のまま治療せずに放置すると、健康な人に比べて死亡率が約2.6倍に跳ね上がり、日中の強い眠気によって交通事故を起こす確率が一般ドライバーの2.5倍になるというデータもあります。 しかし、ご安心ください。早期に発見し、適切な治療を継続すれば、これらのリスクを健康な人と同じレベルまで下げることが可能です。

重症度と、あなたに合った治療の選び方

睡眠時無呼吸症候群の治療法はひとつではありません。当院では、検査で分かったAHIの重症度や、鼻やのどの状態(アレルギー性鼻炎や扁桃の腫れなど)に合わせて、一人ひとりに最適な治療法をご提案します。

中等症~重症の方へ:CPAP治療と【2026年6月の保険基準緩和】

鼻に専用のマスクを着け、空気を送り込んで気道を広げる「CPAP(シーパップ)」は、医学的に最も効果が証明されている標準治療です。翌朝の頭のスッキリ感や、日中の眠気改善に劇的な効果がある方もおられます。 【2026年6月からの朗報:保険適用が拡大されました】 最新の制度改定により、「自宅の簡易検査でAHI 30回以上」または「精密検査でAHI 15回以上」であれば、入院検査なしで保険適用(3割負担で月5,000円程度)でCPAP治療が始められるようになりました。過去に「保険の対象外」と言われた方も、ぜひ一度再評価をご相談ください。

軽症~中等症の方へ:マウスピース(OA)治療

CPAPの適応にならない方や、どうしてもマスクが合わない方には、寝る時に下顎を少し前に出して固定する専用のマウスピースを作成します。持ち運びにも便利で、手軽にいびきや無呼吸が改善します。当院で適応の判断を行い、作成は専門歯科医院へご紹介し、作成後の効果測定を当院で行います。

より手軽な新しい選択肢:ナステント(NAS)

「CPAPが合わなかった」「出張や旅行で手軽にいびき対策をしたい」という方には、ナステント(鼻腔挿入デバイス)の適応判断と処方指示書の発行、効果測定を行っています。寝る前にご自身で柔らかいシリコンチューブを鼻から挿入して気道を確保する一般医療機器で、使い捨てで衛生的です。睡眠中に気道が狭くなったり塞がったりするのを物理的に防ぐため、**「いびきの音の軽減」や「無呼吸の防止」**に即効性が期待できます。【1. ガイドライン上の「標準治療」ではありません: 医学的なエビデンス(科学的根拠)に基づき、睡眠時無呼吸症候群の治療ガイドラインで「第一選択」として推奨されているのは、あくまでCPAP療法やマウスピース治療です。ナステントはガイドラインに記載された治療法ではありませんが、標準治療が継続できない方や、いびきでお悩みの方にとっての「有効な補助的選択肢」として当院では取り扱っています。 2. 舌の落ち込み(舌根沈下)が原因の方には効果が薄場合があります: ナステントは鼻からのどの奥までの気道を広げますが、さらに奥にある「舌の付け根(舌根)」が深く落ち込んで無呼吸になっている場合には、十分な効果が得られないことがあります。 3. 購入には医師の「処方指示書」が必要です: ナステントには、長さや左右の違いなど様々なサイズがあります。ご自身に合わないサイズを使用すると効果が出ないだけでなく、鼻やのどを傷つける恐れがあります。そのため、初めてご購入される際は、必ず医療機関での診察と「処方指示書」の発行が必要です。 4. 健康保険は適用されません(自費診療): CPAP治療とは異なり、ナステントのご購入は健康保険の適用外(全額自己負担)となります。】

手術療法が必要な場合について

扁桃(へんとう)の極端な肥大などが原因で、外科的な手術が最も有効と判断される場合は、無理に機器での治療を長引かせることはいたしません。速やかに手術が可能な提携病院へ責任を持ってご紹介いたします。対象となる方: 小児のアデノイド・扁桃肥大や、成人の極端な口蓋扁桃肥大、重度の鼻中隔弯曲症など、気道を塞いでいる物理的な原因が明らかで、手術による改善が見込める方が対象です。

生活習慣の改善

どの治療法を選ぶ場合でも、ベースとして生活習慣の改善は不可欠です。 減量: 肥満はSASの最大の原因です。体重を数%落とすだけでも、首回りの脂肪が減り、無呼吸が大きく改善することがあります。 節酒・睡眠薬の制限: アルコールや一部の睡眠薬は、のどの筋肉を緩ませて気道を塞ぎやすくするため、就寝前の摂取は控えるよう指導します。 睡眠姿勢の工夫: 仰向けで寝ると重力で舌が落ち込みやすくなるため、抱き枕などを活用して「横向き」で寝る工夫(体位療法)も有効です。

検査から治療までの流れ

STEP1. 診察・問診

いびきの状況や日中の眠気、お鼻の状態(アレルギーや鼻炎の有無)を診察します。

STEP2. ご自宅での睡眠検査

ご自宅に検査機器を持ち帰り、いつもの環境で一晩、睡眠検査(簡易検査 または 在宅フルPSG)をしていただきます。

STEP3. 結果説明と治療方針の決定

検査結果を分析し、ご自身の重症度をお伝えします。CPAP、マウスピース、ナステント、あるいはお鼻の治療のみなど、最適な方針を一緒に相談して決めます。

STEP4. 治療開始と定期フォロー

治療開始後は月に1回程度受診していただき、看護師やCPAP提供会社と連携しながら、治療の効果や機器の使い心地を確認・調整していきます。

■ 耳鼻咽喉科だからできる「鼻と喉のトラブル」への即座な対応

CPAP治療を挫折してしまう最も大きな原因は、「マスクの違和感」と「鼻の乾燥・詰まり」です。 鼻が乾く・痛い: CPAPからの風によって鼻の粘膜が乾燥する場合は、CPAP機器に専用の「加温加湿器」を取り付けることで劇的に改善します。 鼻が詰まって苦しい・空気がお腹に入る: 花粉症やアレルギー性鼻炎で鼻が詰まっていると、口が開いて空気が漏れたり、空気を胃に飲み込んでお腹が張ったりします。当院では、点鼻薬や内服薬を適切に処方し、鼻の通りを良くすることでCPAPを快適に使えるようサポートします。

■ 治療効果を最大化するためのアドバイス

「CPAPを着けているのに、まだ昼間眠い」というご相談を受けることがあります。機器のデータ上は無呼吸が治っていても、睡眠時間そのものが7時間未満と短かったり、食後の血糖値の変動が影響していたりすることがあります。当院では、CPAPのデータ管理だけでなく、良質な睡眠時間を確保するための生活指導も併せて行い、日中のパフォーマンス向上と健康寿命の延伸をトータルでサポートします。

費用についてのご案内

SASの検査や治療は、原則として健康保険が適用されます。 (※以下は3割負担の場合の目安です。実際の費用は診療内容によって変動する場合があります。)

初診・診察料+簡易検査(Watch-PAT): 約 4,000円〜5,000円程度 CPAP治療の管理費用: 月額 約 5,000円程度(※毎月の診察料、CPAP機器とマスクのレンタル料、消耗品代すべてが含まれます) 精密検査(PSG)が必要な場合(連携病院での1泊入院): 約 30,000円程度(連携先病院にご確認ください) マウスピースを作成する場合(保険診療の場合): 約 10,000円〜(歯科にご確認ください)

院長からのメッセージ

質の高い睡眠を取り戻し、健康な未来を守るために

「睡眠」は、人生の3分の1を占める時間であり、翌日の活力や将来の健康(血管や心臓)を守るための最も重要な時間です。当院では、いびきや無呼吸という症状を抑えるだけでなく、耳鼻咽喉科としての「鼻の治療」を組み合わせることで、より快適で質の高い睡眠をご提供することを目指しています。「自分のいびきはどうなんだろう?」「日中の眠気が病気のせいだとしたら…」と少しでも不安に思われたら、一人で悩まずに、まずはお気軽に当院までご相談ください。

監修医情報

医師 宮地英彰

2013年開院のはかたみち耳鼻咽喉科院長。 これまで多数の簡易PSG検査、ナステント、マウスピース治療、CPAP治療に携わる。 自身もマウスピース、ナステント、CPAPの経験者でもある。 ナステント™についての論文執筆あり(「当診療所におけるナステント®の忍容性の評価と閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)への効果の検討 宮地 英彰、耳鼻と臨床 2021年 67巻2号 87-97」)