吃音(きつおん)や発音のお悩みについて

言葉のつっかえや発音の不明瞭さでお困りではありませんか?
当院では、耳鼻咽喉科専門医と言語聴覚士が協働し、吃音(どもり)や小児構音障害(発音の誤り)の専門的な診療を行っています。言葉の症状は一人ひとり異なります。当院では、丁寧な問診や専用の検査法による評価から、ご家庭・学校での環境調整のアドバイス、個別での言語訓練や構音訓練、必要に応じた診断書の作成まで、患者さんの状態に合わせた多面的・包括的なアプローチを提供いたします。
吃音(きつおん)とは
吃音の主な3つの症状 【文章】吃音には主に3つの症状があります。言葉の一部を繰り返す「連発(例:ぼ、ぼ、ぼくは)」、言葉を不自然に引き伸ばす「伸発(例:ぼーーくは)」、言葉が詰まってなかなか出てこない「難発・ブロック(例:……ぼくは)」です。幼児期には連発や伸発が多くみられますが、年齢とともに難発や、言葉を出そうとして顔や体に力が入る「随伴症状」が加わることがあります。
吃音の原因と自然治癒について
吃音は「親の育て方や愛情不足」「環境のストレス」が原因ではありません。現在では、生まれ持った体質的な要因(遺伝的要因や、脳内の言語ネットワークの特性など)が大きく関与していることが分かっています。幼児期に発症した吃音の多くは自然に治癒する傾向がありますが、数年続く場合もあります。治癒の経過には個人差があるため、「様子を見ましょう」と放置するのではなく、専門家による定期的な経過観察と適切なサポートを受けることが重要です。
小児構音障害(発音の誤り)について
構音障害の原因と特徴
構音障害とは、発音の誤りや不明瞭さにより、話している内容が相手に正しく伝わりにくい状態のことです。発声発語器官に明らかな異常がないにもかかわらず発音がうまくできない「機能性構音障害」と、形態的・機能的な異常が原因となる「器質性構音障害」に分けられます。言葉の発達途上で見られる正常な「言い誤り」と、指導が必要な「異常な言い誤り」を正しく鑑別することが必要です。
吃音と構音障害が併存する場合の対応
吃音のあるお子様の中に、構音障害を合併しているケースは少なくありません。当院では、知的発達や聴力、口腔器官の発育も踏まえ「新版構音検査」などを実施して的確な評価を行います。吃音と構音障害が併存している場合、まずは環境調整とゆっくりとした柔らかな発話モデルの提示を行い、お子様の状況に合わせて遊びを取り入れながら段階的に指導を実施します。
当院での診療の流れとアプローチ
丁寧な問診と評価
初診時には、吃音が始まった時期やその後の経過、現在の症状、お子様自身やご家族の受け止め方などを詳しくお伺いします。また、吃音検査法などを用いて客観的な評価を行い、治療の必要性や介入のタイミングを専門的に見極めます。
ご家庭や学校への「環境調整」の指導
吃音治療において基本となるのが「環境調整」です。お子様が安心して話しやすい環境を作るため、保護者の方には「ゆったりとしたペースで話しかける」「話し方のアドバイスをせず、最後まで話を聴く」といった関わり方を指導します。また、幼稚園や学校の先生方へ向けた配慮のお願いや、からかい防止のための指導方法のアドバイスも行っています。
言語聴覚士による専門的な訓練
環境調整だけでは改善が難しい場合や、本人が話しにくさを気にしている場合には、言語聴覚士による直接的な介入を行います。幼児期には遊びの中で流暢な発話を促す「リッカムプログラム」や「DCM(要求・能力モデル)に基づくアプローチ」などを検討します。学齢期以降のお子様や大人の方には、最初の音をそっと出す軟起声などの「流暢性形成法」や、吃音に対する不安を和らげる認知行動療法的アプローチなどを取り入れ、多面的にサポートします。
診断書の作成と「合理的配慮」の申請
学校での音読や発表、入試の面接、就職活動や職場での電話応対などで、吃音による不利益や強い心理的ストレスが生じないよう、当院の耳鼻咽喉科専門医が診断書を作成いたします。2016年に施行された「障害者差別解消法」により、吃音症も合理的配慮の対象疾患となっています。音読を複数人で読む(斉読)工夫や、面接試験での時間的余裕の確保など、学校や職場へ具体的な配慮を求めるための働きかけをサポートします。
受診をご検討の方へ
一人で悩まず、まずはご相談ください
吃音や発音の問題は、ご本人やご家族だけで抱え込んでしまいがちです。「どう対応していいかわからない」「このまま様子を見ていて良いのだろうか」といった不安に寄り添い、当院では最新の医学的根拠(エビデンス)に基づいた的確なアドバイスと治療を提供いたします。福岡県久留米市やその近郊で言葉の悩みをお持ちの方は、ぜひ「はかたみち耳鼻咽喉科」へご相談ください。
監修医情報
耳鼻咽喉科医として24年目(2026年現在)。勤務医として診療にあたるなかで、言語聴覚士とともに進める診療にやりがいと可能性を見出し、言語聴覚士との協働を理念に掲げて当院を開院しました。開院から14年目を迎えます。一般的な耳鼻咽喉科診療に加え、補聴器・耳鳴り・難聴、吃音・構音障害、嚥下障害など、耳鼻咽喉科領域の機能障害の診療に力を注いでいます。