副鼻腔炎(ふくびくうえん)は、日本人にとって非常に一般的な病気です。1年間で約100万~200万人がかかると言われており、一般的には「蓄膿症(ちくのうしょう)」という名前の方が馴染みがあるかもしれません。
副鼻腔(ふくびくう)は、鼻の周りにある空洞のことを指し、上顎洞(じょうがくどう)、篩骨洞(しこつどう)、蝶形洞(ちょうけいどう)、**前頭洞(ぜんとうどう)**という4つの部分からなります。これらの空洞は、薄い粘膜で覆われていて、空気の流れを調節し、肺に入る空気を温めたり、湿らせたりする役割があります。
副鼻腔炎が起こる原因
風邪やアレルギーで、ウイルスや細菌が副鼻腔に感染すると、粘膜に炎症が起こります。この炎症により、鼻や副鼻腔の粘膜が腫れ、空洞と鼻をつなぐ通り道が狭くなり、場合によっては完全にふさがってしまいます。すると、粘液がうまく排出されず、空洞の中に溜まってしまい、さらに炎症が悪化します。
この状態が続くと、急性副鼻腔炎から慢性副鼻腔炎へと進行します。急性の場合は、症状が4週間以内に治まりますが、8週間以上続く場合は慢性と呼ばれます。
副鼻腔炎の主な症状
副鼻腔炎になると、以下のような症状が現れることがあります。
- 鼻づまり
- ドロッとした黄色や緑色の鼻水
- 顔の痛みや重さ
- 歯の痛み
- 頭が重い感じ
- においがわかりにくくなる
- 喉の奥に鼻水が流れる(後鼻漏)
診断方法
副鼻腔炎は、まず問診を行い、その後に鼻内視鏡検査で、鼻の中を直接観察して診断します。また、X線やC(コンピュータ断層撮影)、必要に応じてMRI(磁気共鳴画像)を使い、副鼻腔の状態を詳しく調べます。これにより、鼻や副鼻腔の炎症や腫れ、腫瘍との違いなどを確認します。
このように、副鼻腔炎は放置すると症状が悪化することがありますので、早めに耳鼻科での診察を受けることが大切です。
参考文献:
藤枝重治, 他. 「好酸球性副鼻腔炎 (JESREC Study)」. アレルギー, 64(1), 38-45, 2015.