補聴器の使用が認知症予防につながる可能性について|はかたみち耳鼻咽喉科|福岡県久留米市の耳鼻科・耳鼻咽喉科

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補聴器の使用が認知症予防につながる可能性について

近年、聴力の低下(難聴)と認知症の関係が注目されています。
加齢による聴力低下を放置すると、脳への刺激が減ったり、人との会話や交流が減ることで、認知機能の低下を早める可能性があることが、多くの研究で報告されています。

米国で行われた**2,000人以上を対象とした大規模な研究(Bucholcら, 2021)**では、軽度認知障害(MCI)と診断された方のうち、補聴器を使用している方は使用していない方に比べて、認知症へ進行するスピードが遅いことが分かりました。

  • 補聴器を使わない場合は平均2年で認知症へ進行

  • 補聴器を使った場合は平均4年で進行
    また、5年後の認知症未発症率も、**補聴器使用者では33%**と、非使用者(19%)よりも高い結果でした。

この研究からは、聴力を補正することで脳への刺激が保たれ、認知機能の維持に役立つ可能性が示唆されています。
一方で、すでに認知症が進行している方では補聴器の使用が寿命に影響を与えるという明確な結果は出ていませんが、会話や交流がしやすくなり、生活の質を保つ効果が期待できます。


補聴器を使うメリット

  • 会話がスムーズになり、社会的なつながりを維持できる

  • 聞き返しや誤解が減り、ストレスが軽減する

  • 脳への刺激が増え、認知機能低下の予防につながる可能性


当院からのメッセージ

「年齢とともに聞こえが悪くなったけど、まだ困っていないから…」と補聴器をためらう方も多くいらっしゃいます。
しかし、**「聞こえの低下に気づいた時が補聴器を考えるタイミング」**です。
補聴器は、認知機能や生活の質を守る大切なパートナーになり得ます。気になる方は、ぜひご相談ください。


参考文献

Bucholc, Magda et al. “Association of the use of hearing aids with the conversion from mild cognitive impairment to dementia and progression of dementia: A longitudinal retrospective study.” Alzheimer's & dementia (New York, N. Y.) vol. 7,1 e12122. 14 Feb. 2021, doi:10.1002/trc2.12122