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急性中耳炎の治療には、抗菌薬の適切な投与期間を守ることが重要です。
2016年にピッツバーグ大学医学部小児科のアレハンドロ・ホバーマン医学博士らが行った研究では、「急性中耳炎の治療を短期間で終えると、症状が再発したり、治りにくくなる可能性がある」と報告されています。
特に6~23か月のお子さんでは、標準的な10日間の抗菌薬治療(この研究ではアモキシシリン-クラブラン酸を使用している)がより効果的であるとされています。
治療中に症状が改善しても、指示された期間をきちんと守って、確実に治療を完了させることが大切です。
また、抗菌薬による副作用の発生率や抗菌薬耐性の発生率は短縮化治療でも減少しないことが報告されております。
しかし、抗生剤による副作用(嘔吐や下痢や発疹など)のリスクもあります。
そのため、我々耳鼻咽喉科医は、下痢などの状況や、耳漏があるかどうかなど鼓膜の状況や、2歳未満かどうかや、高熱や嘔吐を伴っているかどうかや、中耳炎が両側性かどうかなどを考慮して、抗生剤非投与で慎重に経過観察したり、鼓膜切開を行う場合もあります。
ご質問があればご相談ください。
(参考文献:Hoberman A, et al. Shortened Antimicrobial Treatment for Acute Otitis Media in Young Children. N Engl J Med. 2016) -
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