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聞こえと認知機能の関係について~2023年の新しい研究からのご案内~
皆さん、こんにちは!
みなさんは「聞こえ」が認知機能に関係していることをご存じですか?
加齢とともに聞こえが悪くなることは自然なことですが、それが放置されると、実は認知機能の低下や認知症のリスクに影響を与える可能性があることがわかってきました。最近の研究では、この「聞こえ」と「認知機能」のつながりが注目されており、対策を取ることで予防に役立つ可能性があると報告されています。
聞こえの変化と脳への影響
「聞こえ」が悪くなると、次のような影響が起こることが考えられています:
- 脳への負担が増える
聞き取りにくい音を理解するために、脳が多くのエネルギーを使うようになります。この「認知負荷」が積み重なると、脳が他の情報を処理する力が低下してしまう可能性があります。 - 社会的なつながりが減る
聞き取りにくさが原因で、会話や社会的な場から距離を置くようになると、脳が刺激を受ける機会が減ってしまいます。これが認知機能の低下に影響することも考えられます。
補聴器で脳を守る
最近の研究では、聴力を補う補聴器の使用が、認知機能の低下リスクを軽減する可能性があることがわかりました。今回ご紹介する「ACHIEVE試験」では、70歳以上の方を対象に、聴覚介入(補聴器の使用)が認知機能の低下を抑えるかどうかを調べた初のランダム化比較試験が行われました。
ACHIEVE試験からわかったこと
この研究では、聴覚介入を受けた方と健康教育だけを受けた方を比較しました。その結果、認知機能低下のリスクが高い方(以下の疾患やリスク因子のある方:糖尿病・高血圧・低い教育水準・低所得・独居)では、補聴器の使用によって認知機能の低下が3年間で約48%抑えられるという成果が示されました。一方、リスクが低い方では短期間(3年間)での明確な効果は確認されませんでしたが、研究者たちは「聴覚介入は、リスクが高い方に特に有益である可能性がある」と述べています。
聞こえが気になる方はお早めにご相談を
私たちの耳鼻咽喉科クリニックでは、聞こえや補聴器に関するご相談を承っています。
- 「聞き返すことが増えた」と感じる方。
- 「家族や友人との会話が少しつらくなった」と思う方。
- 「認知機能の低下が気になる」という方。
これらに当てはまる場合は、ぜひお気軽にご相談ください。聞こえを改善することで、生活の質が向上し、認知機能を守ることにもつながる可能性があります。
引用文献
Lin, Frank R et al. “Hearing intervention versus health education control to reduce cognitive decline in older adults with hearing loss in the USA (ACHIEVE): a multicentre, randomised controlled trial.” Lancet (London, England) vol. 402,10404 (2023): 786-797. doi:10.1016/S0140-6736(23)01406-X
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